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このページでは、物体の位置から微分を使って、速度と加速度を定義する。その上で問題を解く。
このページの構成は以下のようになる。
(1)速度と加速度
(2)解答
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物体の位置
物体の位置は、数直線上での位置を表す。例えば、であれば物体が数直線上でのところにあることを意味するし、であれば物体が数直線上でのところにあることを意味する。
速度
平均の速度
ある時刻からある時刻までに、位置がからに変化したとき、時間で位置が変わっている。このとき、平均の速度は次のように定義される。(は、変化した位置の量という意味で”変位”と呼ばれることがある)
平均の速度
例えば、100mを10秒で走ったとき、この10秒間の平均の速度は、, したがって、”走った方向に10m/s”である。
注:速度は大きさと向きを持ったベクトル量なので、方向も明記しておく必要がある。の値が+ならば、その向きは数直線の+の方向である。もし走った方向と逆に数直線をとったならば、となる。しかし、この場合でも、速度の向きは、数直線の向きと逆の向きなので、同じく”走った方向”となる。
瞬間の速度
平均の速度の時間間隔を限りなくに近づけると、瞬間の速度となる。単に速度といった場合は、瞬間の速度を意味する。例えば、位置が関数で与えられているとき、時間での速度は、
2行目のからわかるように、瞬間の速度は位置をで微分したものである。
瞬間の速度
これらの式は、書き方が異なるだけで同じ意味、すなわち、の微分を意味する。
加速度
加速度は、速度を時間で微分したものである。したがって、加速度は、位置を時間で二回微分したものである。
(瞬間の)加速度
これらの式は、すべて同じ意味、すなわち、の微分(もしくはの二回微分)を意味する。
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加速度と時間のグラフ
加速度は、速度の微分だから、与えられた式を微分すればよい。
これをグラフにすると次のようになる。
位置と時間のグラフ
速度は、位置を微分したものである。速度から、位置を求めるには、を微分の逆演算である積分によって求めればよい。積分定数はの値が連続となるように決める。
これをグラフにすると次のようになる。
(解答終わり)